まず、北方連絡所設立の式典は十月十七日昼、行われました。山東省済南市の山東省薬膳協会事務所ビル前には、歓迎の横断幕が張られ、河野理事長以下一行を出迎えました。中国伝統の胡弓、洋琴、琵琶、笛の生演奏の調べが会場を流れる中、歓迎式典は始まりました。
まず、挨拶に立った章永順・山東省文化庁副長官は「世界平和のため世界の将来のため共に頑張っていかなければならないと思います。文化交流のためまず最初に山東省へ来てくださり心より感謝申し上げます。山東省の歴史は古く四千年余りの歴史があります。皆様は山東省にいる時間はとても短いですが、文化交流の良いスタートを切れると思います」と述べました。
続いて河野理事長は、「昔から日本の国と中国は兄弟、親子、親戚、そういう仲でした。私の体の中にもずっと昔には中国の人の血が流れていると思います。何千年も経ってからこうして兄弟のようなお付き合いのできることはうれしいことです。地球文化交流会という会を作りましたが、普通、こうした会は、こんな会を作りましょうとみんなで相談し計画を立てて作ります。ところが、地球文化交流会は、初めに皆さん方と仲良くなって、気が付いてみたらお互いの文化を交流する流れになっていました。これからも初めに仲良くなってそれぞれの文化を交流させていきたいと思います」と挨拶しました。
その後、山東省を代表する書、水墨画の大家が紹介され、短い時間の中で、実際に芸術家たちがそれぞれの腕を一行の前で披露、河野理事長に贈呈してくれました。河野理事長も請われて筆をとり、参列者の喝采を浴びていました。また、胡弓、洋琴、琵琶、笛による中国伝統の音色が奏でられ、河野理事長から芸道至極の心が述べられ感銘深いものがありました。
北方事務所開設は去る六月、茨城県鹿嶋市で行われた発会式にわざわざ駆けつけてくれた山東省薬膳協会の張偉理事長の働きかけで実現。その薬膳協会に北方連絡所が置かれました。
北方事務所設立の証書には、河野、張両理事長両者の署名が入れられ、河野理事長から事務所設立を記した楯が手渡されました。地球文化交流会のロゴも公表され、ユーラシア・アフリカ大陸とアメリカ大陸、オセアニアを挟む太平洋に十字の模様の入ったバッジが山東省側の参列者一人一人に手渡されました。
また、昼食会は、薬膳協会自慢の薬膳料理がふるまわれ参加者の舌を潤しました。まず、薬草が二十四種入っているという中国版養命酒とも言えるお酒で乾杯。乾杯の音頭とった章副長官は、「河野理事長のスピーチは本当に意味が深く、また芸術家、書道家も自分のすばらしい腕を披露しました。河野理事長の絵もすばらしい。中国民族音楽に河野理事長が、間近で耳を傾ける姿が印象に残りました。これから私たちの友好関係は(中国歴代皇帝が即位に当たって参拝登山し、中国一の名山とされる)泰山より高くなります」と語りました。
この日出された薬膳料理は、張理事長が六月の発会式で来日後、一週間にわたり日本に滞在。日本料理に触れたり日本の食文化の文献をあたったりして日本人好みの味を研究、この日に備えたと言います。今回のツアー参加者の中で二度目の薬膳料理に触れた人からは、「前回と比べて食べやすく、日本人の口に合うでしょう」との感想が聞かれました。 |