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  演題の『水の滝』について、扇子で弧を描き、時に天を仰ぎ、流れるような仕草、朗々とした歌声と共に水の精霊が舞い降りる情景を舞いあげました。

武道の極意を伝授

 また、萩原社中のメンバーによる「里神楽」では、笛、太鼓の調べに乗せて、まず金ぴかで威風堂々の大黒様がお出まし。続いて、下膨れのおかめ、ユーモラスな顔のひょっとこがペアで登場。しばらく二人がリズミカルで掛け合いの踊りをひとしきり踊った後、大黒様が打ち出の小槌をかざしながら、観客席に近づき、会場をめぐりながら、一人一人に「大入り袋」を手渡す。中身に興味津々のあどけなさをのぞかせながらイタリアのちびっ子らは大はしゃぎでした。

 第二部の「武術交流」では、美剣体道の範主でもある河野喜一理事長がまず、会場正面に置かれていた日本刀を鞘から抜いてみせながら、「刀には魂があります。心が正しいと、魂が澄んでいます。ですから、刀は人を斬るためにあるのではありません。自分の魂、心を清らかにするためにあります」と説明。

 坂本東生師範代を相手に、刀に見立てた手刀を振りかざされたケースでは、いかに躱して相手を倒すかという「護身術」を見せ、「武術は虚と実の闘いです。たくさんの技があっても一つの実が使い分けられなければ何の役にたちません」と解説。


 また、「セールスでも相手に儲けさせようと話をするのは、虚で、そうすれば相手は受け入れる。同じように相手が斬り込もうとして来たら斬らせるのが虚。そして相手の懐に入って手を取り投げる」と、日本の古武道の極意を解説しながら、背後から両手をつかまれるなど、実際に攻められるいろいろなケースについて、体をあまり動かさずに相手を軽々しく倒したり投げてしまう八十歳を超える年齢を感じさせない演武に、会場が湧きました。

地元市長も表敬訪問

 理事長が「えいーッ」「いえーッ」という掛け声のかけ方を指導ののち、武道交流の輪が会場に広がりました。
  最後に、理事長は「古武道に興味をもっていただけたと思います。相手をやっつけるためにあるのではなく身体の流れをよくするためにあることを理解いただけたと思います」と締めくくり、参加者に修了証を手渡しました。


  また、交流会の途中、地元のフィエッソ・ダルティコ市の女性市長、ダニエラ・コンティン女史とボランティア団体の代表が突然、表敬訪問。河野理事長と記念品を交わすなど、しばし歓談の機会がありました。


  一方、今回の日本からの交流ツアーは、第一回の地球文化交流会の海外交流ツアーの訪問地のスイス・ジュネーブを皮切りに理事長一行は、ベニスのユダヤ教の礼拝堂シナゴーグなどを訪問。旧交をあたためる場面がありました。

写真(左)ジュネーヴのネルファン牧師
写真(右)ベニスのチーフラビ リチェッティ氏